トリートメント比率50%以上アップ。トリートメントだけでは終わらない。処理剤としてのリンクのポテンシャル。
TOKUSA DESIGNの代表として日々のサロンワークに従事する傍らで、経営とサイエンス、SHINBIYOをはじめとする業界メディアで薬剤検証などのレギュラー連載を担当。明治薬科大学で共同研究者として毛髪研究に携わるなど、薬剤・毛髪研究のスペシャリストとして活躍されている吉見さん。今回は、様々な薬剤を研究している吉見さんが考えるリンクの特徴や、おすすめの使い方、そして、注目の成分などについてお話をお伺いしました。
処理剤として使いやすい
-リンクの使い方を教えてください。
色々ありますね。例えば、「1+」にはプロデュウが配合されているので、カラーの前処理に使い、パーマでボリュームが欲しい場合は「3+」を中間処理で使うなど、それぞれの薬剤の特徴を活かしながら処理剤としても活用しています。処理剤として使う時に薬剤の特徴とともに大切なのは、“タイミング”と”pH”。ケミカル施術でせっかくキューティクルが開いている状態であれば、“ついで”にできる。むしろ、タイミングとしてはベストです。中に入れられるタイミングで一緒に行えば、ダメージの軽減、時短、そして、仕上がりも向上して、一石三鳥になりますよね。そもそも、トリートメントでは髪のダメージの根本を直すことはできません。ただ、ケミカル施術をする際に、ダメージを極力減らすことは大切です。リンクは、トリートメントとしてのみならず、処理剤として使用することができるので、大きなポテンシャルを感じています。
酸性ストレートのベースクリームとして“pH8”は抜群
実は、「0+」「1」「1+」を1:1:1の割合で配合すると“ph8”になります。これは、酸性ストレートのベースクリームとして使うと質感も効率もとても良いんです。僕は、浸透促進としてこの組み合わせを使っています。
また、カラーの前処理としても“ph8”は相性がいいんです。「1」を20g、 「0+」を3g、 「1+」を3g、 そして、20gの水希釈をしたものをカラーの前処理にすると、そのあとのカラーも塗りやすくなり、柔らかい質感が作れます。逆に、ここに「4+」を一滴垂らすと、ハリコシのある髪になります。
トリートメント効果の持続力が圧倒的
-業界誌をはじめ、様々な薬剤を検証されている中で、他社製品とリンクの違いは何だと思いますか?
先ほどの処理剤としての活用が可能なこともリンクならではですが、比較検証していく中では、効果の持続力が圧倒的だと感じます。1回目から2回目、3回目と繰り返していけばいくほど良くなっていくし、お客さまも髪が変わっていくことを実感しやすい。そして、ユニークな成分が入っているところも魅力です。
尿素、プロデュウ、KR30など、注目の成分が入っている
-特に気になる成分は何ですか?
今回の「0+」もそうですが、“尿素”を配合していることは嬉しいですね。発売されるのを心から待っていました(笑)。ケミカル処理や熱処理、最近ではブリーチなども含めて髪が硬くなるお客さまが多いので、尿素の力で柔らかくできるのはとても喜ばれます。また、「1+」に配合されている“プロデュウ”は、高濃度アミノ酸保湿剤といって、保湿や髪の毛の強度改善や、ヘアカラーの色持ちアップ、ダメージ修復などのさまざまな効果を持つ成分です。そして”KR30”は、高濃度高分子ケラチンで、弾力やハリコシが欲しい時に効果の高い成分。柔らかさ、ハリコシ、うるおいと、ヘアデザインには欠かせない質感要素をしっかり実現できる成分だと思います。
トリートメント比率50%以上アップ
-リンク導入後、何が変わりましたか?
トリートメント比率が50%以上アップしました。自分が納得できるものに出会い、お客さまにも自信を持ってお勧めできるようになったからだと思います。また、お客さまも仕上がりの良さを実感できるので、リピート率も非常に高いですね。最初は、リンクの知名度も高くないし、時間を置かずに施術することも含めて、お客さまにアピールできるのかという不安はありましたが、いざ導入してみると、その心配は払拭されて結果につながっています。
新時代のトリートメント
-では、導入時には、お客さまにどんな風に紹介しましたか?
「新時代のトリートメント」という表現で提案しました。お客さまに興味を持ってもらえるように、POPを置いたりもしました。導入前は、放置時間のないトリートメントなので、実感値が薄くなるのでは?という心配はありましたが、そこはポジティブに捉えて、「シャンプーの後にすぐにできちゃうよ」と紹介したことも、気軽さが伝わって良かったと思います。一人でサロンワークをしているので、時短は僕にとってもありがたいですし、しっかり効果を感じられるなら、お客さまにとってもクイックにできる方がいいですよね。
日々のサロンワークは武道の精神に通じる
-吉見さんがサロンを運営する上で、大切にしていることは何ですか?
今は、目まぐるしく新しい製品が登場し、情報も溢れています。プロとしてお客さまにきちんと向き合い、喜んでもらえる価値を提供するには、自らの土台を整え、リテラシーを高めて、本質をしっかり見極められるようにならないといけないと考えています。また、プライベートで続けている護身術では、システマの精神で、失敗をしないために丁寧に、ゆっくり呼吸をすること、相手との距離感が大切であると言われます。これは、日々のサロンワークにも深く通じていると感じていて、サロンワーク中も常に心がけながら、お客さまとのより良い関係を築いていけたらと思っています。
(取材・文 / 鈴木美穂)
TOKUSA DESIGN|吉見廣一
美容師歴21年。2015年にTOKUSA DESIGNを独立開業する傍ら、経営とサイエンス、SHINBIYOをはじめとする業界誌で薬剤検証などのレギュラー連載を担当。明治薬科大学で共同研究者として毛髪研究に携わるなど、薬剤・毛髪研究のスペシャリスト。
埼玉県川越市仙波町3-7-21
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